皆さんこんにちは!
今回はトレーニングの重量設定について書いていきます。トレーニング愛好家の間ではよく話題になることですね。高重量の方がいいという人もいれば低重量の方がいいという人もいて、何が正解なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では3つの論文を挙げつつ、僕自身の経験も踏まえてどのように重量設定すれば効果的なのか解説していこうと思います。
高重量(>60%1RM)VS低重量(<60%1RM)
Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis.
こちらの研究では計21の研究結果を分析し、高重量(>60%1RM)トレーニングと低重量(<60%1RM)トレーニングの効果を比べたものです。両グループとも各セット自力で上がらなくなるまで実施し、最低6週間トレーニングした結果です。
この研究では最大筋力の向上には高重量が有効だが、筋肥大効果は高重量、低重量ともに変わらないことが示唆されています。
高重量(2-4レップ)VS中重量(8-12レップ)
こちらの研究では19人のトレーニング経験者を高重量(2-4レップ)でトレーニングするグループと中重量(8-12レップ)でトレーニングするグループに分けて筋肥大と筋力向上度合いを比べたものです。週3回全身の主要筋群を使う7種目を各3セットずつ行うプログラムを8週間にわたって行ったとのことです。レップ数から考えると高重量グループは95-90%1RM、中重量グループは80-70%1RMの重量を使用していたのではないかと推測されます。
この研究では1RMは高重量グループの方が大きく向上し、中重量グループは高重量グループに比べて筋肥大効果が高かったとのことで、同じセット数行うのであれば高重量は筋力向上を最大化し、中重量は筋肥大効果を最大化することが示唆されています。
ボリュームを揃えた条件での低重量VS高重量
ボリュームが筋肥大のカギ
この3つの研究から言えることは、ボリュームロード(重量×レップ数)が筋肥大にとって重要な要素であるということです。2番目の研究で中重量の方が筋肥大効果が高かったのは高重量に比べてボリュームが大きかったからだと考えられます。例えば1RMが100kgだとして、95%1RMで2レップ行えば95×2=190kg、80%1RMで8レップ行えば80×8=640kgとなり、中重量の方がかなりボリュームが大きくなります。ボリュームを揃えた3つ目の実験では40%~80%1RMの広い範囲で同じような筋肥大効果を示しており、以上のことからトレーニングにおける筋肥大効果を考える際には使用重量だけでなくボリュームロードも考慮に入れることが重要です。
最大筋力は高重量に軍配
最大筋力に関しては高重量トレーニングの方が効果的という結果になりました。筋力に比例して筋量も増加していくので、高重量トレーニングで最大筋力を向上させることは長期的視点で見たときに筋肥大効果を高めるためにも重要な要素であるといえます。
85%~70%1RMがスイートスポット
ボリュームを確保しつつ最大筋力も伸ばしやすい「いいとこ取り」を狙うのであれば85%~70%1RMの重量でセットを組むのが最適だと考えています。レップ数だと6-12レップ狙いですね。これくらいの重量なら筋肥大に必要なボリュームを確保しつつ最大筋力も伸ばしていけると思います。この範囲の強度をスイートスポットとしたのは3つ理由があります。
①強度が高すぎると怪我のリスクが高い

それなら95%1RM~90%1RMの超高重量でたくさんセット数をこなせば一番効果的なんじゃないか…?
と思った方もいると思います。理論上は超高重量で大量のセット数をこなし、ボリュームも確保すれば最大筋力向上と筋肥大効果の両方を最大化できるのですが…
まず間違いなく怪我をするので実際のところ不可能に近いです。高強度になればなるほど故障のリスクが跳ね上がってしまいますので、ボディメイク目的で筋肥大を第一に考えたい場合は重量を調整して関節への負担を軽くする工夫が必要です。論文でも様々な強度を組み合わせることで筋肥大を強化しつつ体をより回復させることができると示唆されています。継続して成果を出すためにもトレーニング強度を調整して怪我をさけていくことを常に意識しましょう。
②重量が軽すぎるとトレーニング時間が長くなる・筋肥大効果が弱くなる
反対に40%1RMなど軽い重量ばかり扱っていると高重量に比べて筋力向上効果が弱くなるのでもったいないです。また、40%1RMともなると種目によっては1セット30-40レップやることになってしまうのでトレーニング時間が長くなってしまいます。スクワット30レップなんて聞いただけで気分が悪くなりますね(笑)。
③種目の特性を考えた調整が必要なため
3番目の理由は、種目による特性を考慮してレップ数を調整すると最大の成果を得やすいと考えているからです。例えば重量を伸ばしやすいコンパウンド種目(スクワット、ベンチプレスなど)は重めでセットを組む、怪我のリスクが高い種目やアイソレーション種目は軽めでレップ数を増やすといったように種目や体調によって強度を調整することで無茶することなく筋肥大を狙えます。
まとめ
- セット数が同じ場合、高重量は筋力向上を最大化し中重量は筋肥大を最大化する
- ボリュームが同じ場合幅広い強度で同じように筋肥大した。筋肥大は高重量で最大化
- ボリュームを増やすことが筋肥大に繋がる
- 強度を調整することで怪我を避けつつ筋肥大させることができる
- 85%~70%1RM(6-12レップ)の範囲を中心に体調や種目に応じて強度を調整するのがオススメ
今回は科学的エビデンスを交えて僕の重量設定に対する持論をまとめてみました。効かせる意識や動作スピードなど重量やレップ数以外に強度を決める要素がたくさんあり迷ってしまうこともありますので、僕はシンプルに上記のような基準を設けています。 パワーリフターのような筋肥大よりも最大筋力アップを優先したい方の場合重量設定も変わってくるので万人に当てはまるわけではありませんが、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
コメント
はじめまして
リーゲインズを本格的に始めたく、ネットをさまよっていたところこちらサイトを目にしお邪魔させていただきました。
昨年の7月からパーソナルトレーニングジムに通い、かなり厳しいローファットとローカーボ、ウェイトトレーニング、有酸素で17キロ減量しました。
ですが、今年の3月に体調を壊し食事制限をやめてからトレーニングはつづけているものの体重4キロほどと体脂肪1~2%もどってしまいました。
オリジナルでリーゲインズをはじめて、カロリー計算もしつつほぼ毎日体をうごかしてますが、体重は増加傾向で、またローファットかローカーボに戻した方がいいのか悩んでおります。
もし、よろしければご助言いただければと思い書き込みさせていただきました。
宜しくお願い致します。
そららさん
コメントありがとうございます!
17㎏ですか…かなり厳しい食事制限をされていたとのことで精神的にも体力的にもしんどかったと思います。
いろいろな誘惑に負けず17㎏も体重を落としたのはすごいことなので自信を持ってくださいね。
体調の方はいかがでしょうか?食事制限を中断されてから2ヶ月ほど経っているかと思いますが、まだ不調が続いているようでしたら健康を取り戻すまでは食事のことは置いておいた方がよいと思います。
ここからは体調が回復してトレーニングも問題なくできる状態であるという前提でお話しします。
実は体重が+4㎏で体脂肪率が1-2%しか増えていないというのはかなり良い変化です。
乗って測るタイプの体組成計では体重が増えると体脂肪率も高めに出る傾向があります。
それを考えると実際のところ体脂肪はほとんど増えておらず、厳しいダイエットで落ちてしまった筋肉が戻ってきた可能性も十分にありますね。
一番減量したときと比べておへそ周りやウエストのサイズはどうでしょうか?
ウエストのサイズは体脂肪量の変化を測る良い指標ですので、週1回程度のペースで測るのをオススメします。
ウエストの増加が1-2㎝くらいなら体脂肪はほぼ増えていないので、食事は今のままでトレーニングで扱う重量やセット数を上げていって、
代謝の高い太りにくい体を目指すのが健康的でいいかなと思います。
ウエストが4-5㎝増えていて明らかに体脂肪が増えてしまったいるという場合は、
まずは脂質を抑えて炭水化物はある程度摂りながら2㎏/月くらいのペースで減量していくのが良いですね。
何はともあれ今は健康になっていればよいのですが…